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2017.09.23 Sat 「 [PR]
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2009.04.07 Tue 「 夜、一つの話
某様に捧ぐ
って凄く自分が好きなように書いちゃいましたが…すいません><







「紅、」

呼ぶ声に振り向くと彼の顔。

「何ですカ、」

名前を呼ぼうと口が「ひ」の形を作った瞬間、
有無を言わさず抱きしめられる。

「ちいと待っとってな」

大きく息を吸う音。
規則正しくゆっくりと、深呼吸のようなそれが、私の首のすぐ横で続いていく。

彼が夜中に帰って来ると、たまにこうなる時がある。
そういう時は彼からは、仄かに鉄の匂いがして、私は黙っているしか無くなる。
きっと、生きている匂いというか、そんなものでも吸い込んでいるのだろうとうっすら思う。

彼の仕事は胸を張って堂々と口に出来る物ではないことも、人道に反することを毎日のようにこなしていることも、分かっている。
何度もやめろと言ったけれど、彼は首を縦には振らない。
私に出来ることは、彼の仕事を少し手伝い、帰った彼をこうして迎えることだけらしい。

「ちょっと待ちましたヨ」

「ん、…おおきに」

ゆっくり離れる彼の、どこか遠くを見るような目が、彼が生む死を見ているような、そんな気がして。

わざと明るく振る舞って、

「顔色悪いですヨ、気持ち悪イ」

冗談めかしてへらりと笑うと、

「元々こないな色しとるさかい気にせんといてぇな」

調子良く帰ってくるのにほっとしつつも、無理をしていないか不安になる。

「そういえばそうかもしれませんネ…ああ、夕飯食べまス?」

「せやなあ、もろとこか」

こうして迎えることすらも、出来なくなるのが恐ろしくて、

「味は保証しませんけどネ」

「んな殺生な。黒焦げは堪忍やで」

そんなことなど口に出来ずに、こうしているしか出来ないのが、もどかしくて。
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